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TRACK 03 LINER NOTES

サブタイトルに使われている「ユー・メイド・ミー・リアライズ」は、イギリスの4人組ロックバンド、マイ・ブラッディ・ヴァレンタインが1988年に発表したシングルの表題曲より。第1話がメインモチーフにオアシスを用いていたように、この第3話ではマイ・ブラッディ・ヴァレンタインの曲名が随所に散りばめられている。

ケヴィンとビリンはそれぞれ、マイ・ブラッディ・ヴァレンタインのリーダー、ケヴィン・シールズとビリンダ・ブッチャーをモデルにしているが、ほかにもトレモロ技研は、彼らが代表作『Loveless』をリリース後に発表したEP「Tremolo」と、ケヴィン・シールズがメンバーとして参加した実験的グループ、エクスペリメンタル・オーディオ・リサーチ(E.A.R.)から。またエピソード冒頭、ノイバウテン三姉妹に対して、ビリンが放つ必殺技は、彼らが同じく88年に発表したシングル曲「フィード・ミー・ウィズ・ユア・キス」。最後のバトルシーンで、ケヴィンとビリンが口にする「アイ・キャン・シー・イット(バット・アイ・キャント・フィール・イット)」も、彼らのアルバム『Isn’t Anything』収録曲から採られている。

 マイ・ブラッディ・ヴァレンタインは、90年代初頭のイギリスで注目を集めたシューゲイザー・ムーブメントを代表するバンドのひとつ。本作の原案を手掛けているじんと佐藤大が最初に会ったときに、2人の共通点として盛り上がったことから、比較的企画の初期段階で「シューゲイザー」を取り上げることが決まったという。曖昧模糊としたフィードバックノイズと美しいメロディラインを同居させたシューゲイザーというジャンルは、第2話で扱った「ノイズ」の、もうひとつ別のアプローチと見ることもできる。

80年代を席巻した商業ロックとはまた違う、内省的な轟音サウンドが特徴のシューゲイザー・ムーブメントだが、その戦列にはマイ・ブラッディ・ヴァレンタインのほか、ライドハウス・オブ・ラヴラッシュコクトー・ツインズスペースメン3ペイル・セインツなど、数多くのインディバンドが加わった。それらのバンドの曲名が、あちこちに顔を出しているのも、第3話の特徴。

ビリンがミュウにつけたあだ名「チェルシー・ガール」は、ライドが90年に発表したデビュー・シングルの曲名より。ミュウとの会話でビリンが口にする「ライク・ア・デイドリーム」は、同じライドの2ndシングルのタイトル曲だ。また、エコヲとビリンたちが戦うときの合図「レイヴ・ダウン」は、スワーヴドライヴァーの同名曲(91年発表)から採られた。

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