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オフィシャルインタビュー Part 3 村瀬歩・高橋李依

Q1
――キャラクターの第一印象からお伺いしようと思うのですが、最初はオーディションだったのでしょうか?

高橋 そうですね。オーディションのときにキャラクターデザインのpomodorosaさんが描かれた原案のイラストをいただいて、「この絵、好き~っ!」って思いました(笑)。もっと、パッキリしたイラストが来るのかと思っていたんですけど、水彩っぽい筆のタッチを活かしたイラストで、そのとき「この作品は、生っぽい感覚を大事にするのかな」と思ったんですよね。

村瀬 ミュウのイラストは表情をちょっと崩しつつ、ニカッと笑ってる感じの絵があったりしたよね。エコヲは逆に、アンニュイな表情だったり困った感じの顔が多かったんです。しかもいただいたオーディション用の原稿を読んでも、次の一歩が踏み出せないようなシチュエーションが書かれていて、彼は世の中に期待できていない感じだったり、自分が今いる場所から先に進めるイメージを持てないのかな、という印象を受けました。なのでオーディションのときも、そこは大事にしていました。

高橋 オーディション用の原稿に、あれがあったんですよね。「私そういうの、超大好き!」ってセリフ。

村瀬 あーっ、PVにも使われてたヤツ。あのセリフはいいよね。

高橋 そうなんです!(笑) だから、オーディションのときから、引っ張っていくミュウと引っ張られるエコヲっていうイメージは、ありましたね。

村瀬 第1話には、2人の関係性がギュッと凝縮されていて、もちろん、そこからお互いの絆が深まっていったりはするんですけど、でも基本的な関係性はほぼずっと一緒なんです。
最初、エコヲの気持ちが塞がっていたのが、物語が進む中で、だんだんと開いていく。そういう意味でも、第1話がこの先のすべてを物語っているような印象もありました。



Q2
――今回は、プレスコ形式で収録されたわけですが、収録の中で改めて気づいたことはありましたか?

高橋 じつは私、家で練習するとき、セリフを声に出さないようにして練習してたんです。とにかくシーンを理解することにまずは注力して、イメージは頭の中だけ。声のお芝居に関しては、ほぼ現場で決めようと思っていました。

村瀬 そうなんだ! やっぱりセリフを声に出しちゃうと……。

高橋 なんとなく、自分の耳にセリフのリズムが入っちゃう気がしたんです。あと普段はめちゃくちゃ台本に書き込みをするんですけど、今回は……。

村瀬 書かない?

高橋 書かない! 声にも出さないし、何度も練習しすぎない! みたいな(笑)。最初にいただいたpomodorosaさんのイラストの印象もあったし、しかもお話がボーイ・ミーツ・ガールのお話だったので、ガッチリ決め込んでいくとカッコがつかないかな、って。だから『LISTENERS』では、新しい演じ方をしたいと思ったんです。

村瀬 キャラクターや作品によっては、きっちり論理立ててアプローチした方が効果的なこともあるんですけど、『LISTENERS』はむしろアドリブや、そのときの雰囲気、空気感を大事にしてる作品だなって思っていました。メインのお話自体は地続きなんだけど、各話ごとにちょっとオムニバスのようにもなっているので、その回のゲストでいらっしゃる役者さんたちによって、やっぱり空気感がまるで違ってくる。なので、その空気感に乗っかりつつ、「どんなふうに来るんだろう?」って感じながら演じようと考えてました。

――プレスコならではの難しさ、面白さを感じたのはどういう部分でしたか?

高橋 ひとつ思い出深かったのは、本番の前にシチュエーションや距離感を、綿密に確認したんです。テストのときに生まれた「ここ、どこ?」みたいな違和感を、みんなですり合わせするっていう。

村瀬 プレスコだと、Aさんが考えたものとBさんの考えたもの、あとは監督が考えていたイメージが、バラバラなことがどうしてもあるんです。そうすると結局、絵の方でそこを調整しなくちゃいけなくなってしまうし、あまり効果的なプレスコの使い方にならないのかなと思ったんです。

しかも今回の『LISTENERS』だと、エコヲたちは旅をしているわけで、場面によって狭い建物の中にいたり、逆にすごく広い場所にいたりする。特にエコヲの場合は、新しい場所に行くときに、ワクワクしてるのか、それとも「ちょっと怖いな」と思っているかで、声の出し方が変わってくるんです。だから、そこはちょっと気をつけていたところではありますね。



Q3
――エコヲから見たミュウと、ミュウから見たエコヲ。お互いの長所と短所は、どこにあると思いますか?

村瀬 やっぱりミュウはお話はもちろん、いろいろと引っ張っていってくれるキャラクターなんです。出自が謎で、自分自身のこともよくわかっていないんだけど、メチャクチャ元気で、意志がはっきりしてる。これまで僕が関わってきた作品のなかでは、なかなかこういうキャラクターはいなかったなと思います。そういう引っ張っていってくれる強さは、やっぱり素敵だなって思います。

高橋 演じている私としては、エコヲに共感してもらえないとスネちゃいそうだな、っていうのはあります(笑)。女子あるあるなのかもしれないですけど、「わかってほしいときにわかってもらえない!」みたいな。

村瀬 あはは(笑)。しかも、エコヲはめちゃくちゃ鈍いからね。

高橋 そうそう(笑)。で、腹を立てるミュウっていう。そこはちょっとミュウに、大人になってほしいかなって思いますね。

村瀬 でもそれは、どちらかというとエコヲが悪いよ、たぶん(笑)。これだけ引っ張ってくれてるのに、気がつかないのは、エコヲが悪いですよね。

高橋 でも、すごくピュアで可愛いんですよ。1話の「ほら、見て見て!」のシーンとか(笑)。

村瀬 ああ、PVでも使われてたよね(笑)。

高橋 あのシーン、大好きで。何回も繰り返して見ちゃいましたね。



Q4
――先ほどもちらっと話に出てきたように、毎回、いろいろなゲストキャラクターが登場する作品ですが、印象に残っているキャラクターは誰でしょうか?

高橋 私は、エコヲのお姉ちゃんですね。スエルさん。

村瀬 佐藤利奈さんですね。

高橋 佐藤さんが『LISTENERS』の空気感を、一瞬で掴んでくださった感じがありました。すごく生っぽくて、心に寄り添ったお芝居をしてくださったのがすごく印象的で、「あっ、自分が感じてた『LISTENERS』の方向性は間違ってなかったんだ」って、背中を押してもらった感じでした。

村瀬 すごく心強いよね。ガンと背中を押すわけじゃないけれど、優しくて、温かさを感じるというか。もうちょっと意識的に話したり声をかけそうな感じのところを、うまく引き算というか、ちょうどいい塩梅で抜かれていて、やっぱり先輩ってすごいなと思いました。

――村瀬さんが印象的だったキャラクターというと……。

村瀬 僕は、釘宮理恵さんがやられていた……。

高橋 ニル!

村瀬 そうそう。ニルがすごく好きですね。釘宮さんって本当に「この人、ハマらない役があるのか?」って思うくらい、普段から尊敬している役者さんで、それこそ年に1回くらい、コンスタントにアニメやドラマCDで、がっちり掛け合いをする機会があるんですけど……。

高橋 いいなあ(笑)。

村瀬 でも毎回違うし、毎回新鮮なんです。今回のニルはすごく退廃した世界にいるキャラクターで、苦しいんだけどその現状を断ち切れず、ある意味、自暴自棄で望みも特に持っていない、といった役どころなんです。そんなニルを本当に的確に演じていらっしゃって。

高橋 うん、わかります。

村瀬 釘宮さんのお芝居を見ていると、やっぱり「悔しい」って思うんです(笑)。他の先輩たちもそうですけど、巧みなお芝居を見てると、「もっとこういうふうにできたらな」とか「もっと自分の身体を使えたら、きっともっと演じるのが楽しいんだろうな」と思う。そういう意味でも、ニルは本当にいいキャラクターだなと思います。



Q5
――高橋さんはミュウとして、エンディングテーマを歌われてますが、実際にやってみていかがですか?

高橋 私はミュウを楽器だと思っていて、彼女の声帯が楽器になっている感覚というか、彼女が気持ちよくなるようなイメージで歌ってます。「音楽」って「音を楽しむ」って書きますけど、そんな感じで、彼女が一番響かせたいと思ってる音で、歌を楽しむことができたらな、って思っています。

村瀬 「歌うのがめちゃくちゃ楽しい!」みたいな感じ?

高橋 そうそう! 音楽が彼女から出てきちゃう、みたいな、スピーカーというかギターになった気分。それこそ本当に、ジャックを刺してもらってる感じで、歌ってますね(笑)。

――エンディングは全12曲あるわけですけど、歌っていて手応えを感じた曲は?

高橋 それが毎回、新しい曲を歌うたびに更新してるんです(笑)。「今のテイクはちょっとロックに寄りすぎたから、今度はこういう方向でいってみようか」という感じで、毎回歌い方も変わっていっています。そこまで器用にできるわけじゃないんですけど、感情を優先したうえで、毎回、いろんなチャレンジをさせていただけて、すごく楽しいですね。



Q6
――この作品のキーワードでもある「ロック」という言葉が出てきましたが、おふたりが考える「ロック」って、どういうものでしょうか?

高橋 それ、私も知りたいですね(笑)。

村瀬 僕はそもそも、音楽に関する素地がまったくないので、あまりよくわからないんですよね(笑)。それこそJポップとかトランスくらい、わかりやすい括りだといいんですけど(笑)。ロックってひと言で言ってもすごく、幅が広いですよね。

高橋 私は、それこそエンディングを歌わせてもらってる中で、ミュウを通して「ロックって私」ってことなのかな? って、そんなふうに感じ始めてます。私が私であるための「理由」とか「存在意義」を見つけるのが、「ロック」なんじゃないかなと。ロックに正解って、なさそうじゃないですか。いろいろなアーティストの方がいて、その中でその人なりの「私」とか「僕」「俺」がある。それを見つけてやってる人が、ロッカーなのかなって思っています。

村瀬 その回答がロックっぽい(笑)。僕ら、役者の世界でも「生き様がロック」って言われる人のお話を聞くことがあったりします。例えば、寝坊したり遅刻したり、あるいは前の日、めちゃくちゃお酒飲んで、クタクタになってるんだけど、いざ現場に入ったらスッとできる、みたいな(笑)。

きっと30年前とか40年前だと、そういう人がもっといたと思うんですけど、例えば今は、遅刻しそうになってもスマホを見ればすぐに時刻表を確認できるし、そう簡単に何かに立ち向かうことができなくなってる気がするんです。自由すぎて、逆にがんじがらめになってる、という感じでしょうか。そういう中で「ロック」な生き方って、なかなか難しいのかなって思ったりします。

高橋 ロックしにくい世の中なんでしょうね。

村瀬 そうそう。でもそういう中でも、青春の悩みだったり、社会に対する不満だったりを歌う。訴えかけたいものがあって歌ってる人は、カッコいいなって思います。……僕自身はルールの中で生きたい人なので、そういうふうには絶対になれないんですけど。だからたぶん、ロックって自分から一番遠いものなんじゃないかって思ってます(笑)。



Q7
――ネタバレにならない範囲で、「ここをぜひ見てほしい」というシーンを教えていただけますか?

村瀬 殿下のエピソードはすごく面白いですよね。舞台になる街自体が、すごい雰囲気で、「これってどういう世界観なんだ?」って思うんですけど、なんかちょっと妖しい感じもあって。しかも音楽が好きな人だと、元になってるモチーフがわかるらしいので、そういう意味でもすごく面白かったですね。

高橋 とにかくオマージュがいっぱい詰まってるので、いろいろ探してほしいです。私自身、多くをわかってるわけじゃないんですけど、Twitterとかを見ると、「このビジュアルはあのジャケットが元ネタじゃない?と」いった感じで考察をしている人がすでにたくさんいるんですよね。 それこそ第1話の酒場の看板が、オアシスのロゴそのままじゃん! っていうのもあったりします。

村瀬 へーっ、そうなんだ!(笑)

高橋 そういう細かいモチーフがいっぱい入っているので、ぜひハッシュタグを付けて盛り上がってほしいなって思いますね。

村瀬 たしかに。『LISTENERS』の現場は音楽好きの人が多くて、みんな「あれが元ネタだ」とか言い合って、すごく楽しそうでしたよね。あの現場では、僕はもう完全にマイノリティでした(笑)。

高橋 もともと学生時代に洋楽を聴いてたって先輩が多い現場で、みなさん詳しかったですよね(笑)。



Q8
――では最後に改めて、放送を楽しみにしている方たちに向けて、メッセージを。

高橋 こうして話しておいてアレなんですけど、語るより見た方が早いと思います(笑)。このインタビューを読んでいる人なら、さすがにきっと見てくれるだろうと思うので、期待してます!

村瀬 アフレコはだいぶ前に終わって結構時間が経ってるんですけど、そういう意味では、完成した作品をまっさらな気持ちでみなさんと一緒に楽しめるんじゃないかなと思ってます。あと、僕は音楽の素地がまったくないんですけど、でもそんな人でもきっと楽しめるんじゃないかな、と。もちろん知ってる人は、それ以上に楽しめると思いますので、ぜひ期待しつつ、放映開始を待っていただければと思います。

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